村上春樹のおすすめ作品ランキング15!小説、エッセイ、旅行記、翻訳本!

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村上春樹のおすすめ作品ランキング15を紹介します。小説、エッセイ、旅行記、翻訳本など幅広いジャンルから厳選。

大学3年生の春、ふと手に取った「ノルウェイの森」に衝撃を受けて以来、小説やエッセイを好んで読むようになりました。秀逸な文章、紡ぎ出す不思議な世界観がストンと胸を打ち、心が洗われた気分になるのです。

特徴的な文体と掴み所のないストーリーは読む人を選びますが、あるいは人生で最も大切な小説になるかもしれません。この記事ではぼくにとってのおすすめ順に作品をリストアップしてみたので、読書好きもそうでない方も参考にしてみてください。

村上春樹のおすすめ作品ランキング1位〜10位

1位 ノルウェイの森

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。

愛と喪失の間で揺れる男女の姿を描く、大ベストセラーを記録した村上春樹の最高傑作。

初めて読んだ時に繊細に描かれる心理描写、作品全体から漂う乾いた空気感にただただ衝撃を受けました。村上春樹作品としては異端であり、著者の青春時代の経験に沿って描かれているので、現実と空想が絶妙に混ざり合い、独特な世界観を醸し出しています。

アクの強い作品なので読む人を選びますが、もし空虚感や孤独感を感じているならば、人生にとって大事な小説になるかもしれません。個人的には1番好きな小説で、数え切れないほど読み返しました。

 

2位 風の歌を聴け

村上春樹のデビュー作 1970年夏、あの日の風は、ものうく、ほろ苦く通りすぎていった。僕たちの夢は、もう戻りはしない――。群像新人賞を受賞したデビュー作

当時著者が経営していたジャズ喫茶「ピーター・キャット」のキッチンテーブルで描かれ、群像新人文学賞を獲得した処女作。

心地よいテンポ感、会話のセンス、軽快で掴み所のないストーリー。デビュー作とは思えないほどクオリティが高く、秀逸な文章に触れ、ありありとイメージされる情景に想いを馳せ、読み終わった時には不思議な感覚に包まれました。風がさっと吹き抜けるような読後感がたまりません。

「完璧な文章など存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」という書き出しには圧倒的な才能、偉大な小説家としての片鱗を感じさせられます。より軽く、より美しく、より自由に描かれているので、個人的には初期作品の方が好み。

 

3位 世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

谷崎潤一郎賞を受賞した4作目の長編小説。「世界の終わり」と「ハードボイルドワンダーランド」、二つの世界が同時並行で交互に描かれます。

他作品と比べて非常にフィクション性が強い本作。相関が全くないように思えますが、物語が進むにつれ関係性が少しずつ明らかになり、次第に交錯していく展開には型破りな発想、高い文章力をまざまざと見せつけられます。

世に言う村上春樹ワールドが120%展開されていて、初期作品としては最高の出来。ぐいぐい引き込まれる壮大なシナリオ、強く生きる主人公の姿、余韻の残るラストは他の小説にはない魅力があります。

 

4位 グレート・ギャツビー

村上春樹が人生で巡り会った、最も大切な小説を、あなたに。新しい翻訳で二十一世紀に鮮やかに甦る、哀しくも美しい、ひと夏の物語―。読書家として夢中になり、小説家として目標のひとつとしてきたフィッツジェラルドの傑作に、翻訳家として挑む、構想二十年、満を持しての訳業。

20世紀アメリカを代表する古典文学。

繁栄と狂騒に湧く1920年代アメリカで、1人の女性だけを一途に思い続け、悲痛な運命に弄ばれる男の切なく、儚い人生が描かれています。村上春樹が最も入れ込んでいる小説だけあって、美しい情景描写と共に綴られる物語の完成度は素晴らしいです。

原作小説の難解ながら色彩豊かな表現を活かしつつ、うまく現代風に訳された傑作。翻訳作品は往往にして訳文が不自然になりがちですが、村上春樹訳は平易かつ簡潔なので非常に読みやすいかと。

 

5位 辺境・近境

久しぶりにリュックを肩にかけた。「うん、これだよ、この感じなんだ」めざすはモンゴル草原、北米横断、砂埃舞うメキシコの町……。NY郊外の超豪華コッテージに圧倒され、無人の島・からす島では虫の大群の大襲撃! 旅の最後は震災に見舞われた故郷・神戸。ご存じ、写真のエイゾー君と、讃岐のディープなうどん紀行には、安西水丸画伯も飛び入り、ムラカミの旅は続きます。

世界各地での辺境旅行をもとに描かれた旅行記。

鋭い観察によって描かれる生き生きとした情景描写、土地ごとに異なる人々の暮らし、旅先でのハプニングと翻弄される著者。ユーモラスな体験と珍事件に読みながら何度も吹き出し、声を上げて笑ってしまいました。 特にメキシコ大旅行編、無人島編が面白い。

紀行文、エッセイこそが真骨頂。人間臭い村上春樹の意外な一面と、ちょっと他の人がしないような変わった、趣向を凝らした7つの旅が堪能できます。瑞々しく、生き生きとした文章で綴られる旅先の微笑ましい風景は、小説が苦手な方でも楽しめるかと。

 

6位 パン屋再襲撃

堪えがたいほどの空腹を覚えたある晩、彼女は断言した。「もう一度パン屋を襲うのよ」。それ以外に、学生時代にパン屋を襲撃して以来僕にかけられた呪いをとく方法はない。かくして妻と僕は中古カローラで、午前2時半の東京の街へ繰り出した…。表題作ほか「象の消滅」、“ねじまき鳥”の原型となった作品など、初期の傑作6篇。

初期の傑作短編集。

数ある短編集の中でも随一のクオリティ。メタファーとしての不思議で理不尽な物語と、繊細な自意識の揺れを一貫して描いていて、まだまだ荒削りの、しかし感性に訴えかける上質な文章が味わえます。

「双子と沈んだ大陸」から漂う喪失感と空虚感、「象の消滅」における何かを象徴しているかのような奇妙な現象、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」で見られる新たな試み。サクッと読めますし、全6編どれも傑作ばかりなのでオススメ。

 

7位 キャッチャー・イン・ザ・ライ

さあ、ホールデンの声に耳を澄ませてください。 村上春樹の新しい訳でお届けする 新世代の『ライ麦畑でつかまえて』

サリンジャーによる古典小説の翻訳作品。

思春期特有の青臭さ、甘酸っぱく切ない思い出、いつまでも色褪せない青春がそこにあり、いわゆる中二病真っ盛りの、強がりで純粋なホールデン少年に対し何とも言えない感情が込み上げてきます。

青少年向けかつ文体にクセこそありますが、原作の魅力そのままに読みやすくアレンジされています。いつまでも色褪せない、何度読んでも変わらぬ懐かしさに包まれる素敵な名著です。

 

8位 遠い太鼓

ある朝目が覚めて、ふと耳を澄ませると、何処か遠くから太鼓の音が聞こえてきたのだ。ずっと遠くの場所から、ずっと遠くの時間から、その太鼓の音は響いてきた。―その音にさそわれて僕はギリシャ・イタリアへ長い旅に出る。1986年秋から1989年秋まで3年間をつづる新しいかたちの旅行記。

「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」を完成させた、約3年間に渡るヨーロッパ旅行記。

短期的旅行者でもなければ長期的住人でもない”常駐的旅行者”としての海外生活が、瑞々しい文章で綴られる本作。異国情緒を感じ、地中海での気ままな暮らしを知り、同時に長い旅を通して考え成長していく著者の姿を楽しむことができます。

特に印象的だったのは、イタリア・ギリシャなど南欧の人々の人間臭さ。いい加減だけど憎めない国民性、ほのぼのとした日常が楽しく、賑やかに描かれていて、読み終わると旅に出たくなりました。エッセイとしてはかなりのボリュームですが、あまりの面白さにページを捲る手が止まりません。

 

9位 職業としての小説家

「村上春樹」は小説家としてどう歩んで来たか―作家デビューから現在までの軌跡、長編小説の書き方や文章を書き続ける姿勢などを、著者自身が豊富な具体例とエピソードを交えて語り尽くす。文学賞についてオリジナリティーとは何か、学校について、海外で翻訳されること、河合隼雄氏との出会い…読者の心の壁に新しい窓を開け、新鮮な空気を吹き込んできた作家の稀有な一冊。

2015年に出版された初の自伝的エッセイ。

約40年間に渡る作家生活の全てが本作の中で綴られています。読者一人一人に語りかけるように、丁寧で誠実な文章で書かれているので、文章に対する著書の静かな情熱をひしひしと感じました。

執筆に関して気を付けていること、日頃の習慣、ノーベル文学賞への想いなどがありのまま語られるハルキスト(村上春樹ファン)必見の一冊。本作を読んでから他作品を読むと、また異なる感想を抱き、違った楽しみ方ができるかと。

 

10位 走ることについて語るときに僕の語ること

もし僕の墓碑銘なんてものがあるとしたら、“少なくとも最後まで歩かなかった”と刻んでもらいたい―1982年の秋、専業作家としての生活を開始したとき路上を走り始め、以来、今にいたるまで世界各地でフル・マラソンやトライアスロン・レースを走り続けてきた。村上春樹が「走る小説家」として自分自身について真正面から綴る。

“走ること”について書き下ろしたエッセイ。

著者の”走ること”に対する姿勢や考え、人生と”走ること”について赤裸々に綴られています。毎日飽きずに黙々と走り続ける著者の姿勢に感心を覚え、心にスッと入り込む文章を通してランニングの素晴らしさ、魅力を強く感じました。読むと無性に走りたい気分にさせられます。

あらゆるランナーが普段考えていることを適切な言葉で表現しており、個人的に共感を抱く場面がいくつも見受けられたので、アマチュアランナーのぼくとしては非常に印象的な一冊です。

 

村上春樹のおすすめ作品ランキング11位〜15位

11位 雨天炎天

「女」と名のつくものはたとえ動物であろうと入れない、ギリシャ正教の聖地アトス。険しい山道にも、厳しい天候にも、粗食にも負けず、アトスの山中を修道院から修道院へひたすら歩くギリシャ編。一転、若葉マークの四駆を駆って、ボスフォラス海峡を抜け、兵隊と羊と埃がいっぱいのトルコ一周の旅へ―。雨に降られ太陽に焙られ埃にまみれつつ、タフでハードな冒険の旅は続く!

ギリシャ、トルコ旅行のロード・エッセイ。

女人禁制のアトス島、そしてトルコ一周。旅行でのなかでもかなり辺鄙な場所、普通の旅人が行かないような地域の紀行文なので非常に新鮮。旅先でのやり取りを楽しめるだけでなく、地理風土、政治問題、社会問題も同時に学べます。

青々としたエーゲ海、歴史ある古代ギリシャの遺産は全く語られないですが、生命感のある情景描写を眺めていると自分が旅をしているように思え、旅の魅力を100%感じ取れます。

 

12位 やがて哀しき外国語

初めてプリンストンを訪れたのは一九八四年の夏だった。F・スコット・フィッツジェラルドの母校を見ておきたかったからだが、その七年後、今度は大学に滞在することになった。二編の長編小説を書きあげることになったアメリカでの生活を、二年にわたり日本の読者に送り続けた十六通のプリンストン便り。

大学講師としての2年間に渡るアメリカ滞在記。

著者の視点からお国柄、経済状況、文化を掘り下げる一冊。1990年代アメリカの自由な、多様性を受け入れる気風が伝わって来ると同時に、国家の根底を流れる深い部分まで考えを巡らせることができます。

旅行記ではなく滞在記に当たるので、より広く視野を持って綴られたエッセイです。異国で淡々と暮らす著者の姿は読んでいるだけで楽しく、文化や慣習の違いに直面して苦労するシーンも多く微笑ましい。

 

13位 東京奇譚集

肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却……。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。孤独なピアノ調律師の心に兆した微かな光の行方を追う「偶然の旅人」。サーファーの息子を喪くした母の人生を描く「ハナレイ・ベイ」など、見慣れた世界の一瞬の盲点にかき消えたものたちの不可思議な運命を辿る5つの物語。

東京を舞台にした5編からなる短編集。

短いながらも気軽に楽しめる村上春樹ワールド、心地よい余韻の残る読後感が堪能できる一冊。本作では”家族”が一貫したテーマとして綴られていて、不思議な物語、愛する人を亡くした喪失感が心に染み渡ります。

最近の短編集よりも洗練されていて無駄がなく、文章の完成度が非常に高い本作。個人的には「偶然の旅人」「ハナレイ・ベイ」が好み。サクッと気軽に楽しめるので、他作品な苦手な方には短編集をオススメします。

 

14位 スプートニクの恋人

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。―そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー。

深い孤独を描く恋愛小説。

序盤は全容が掴めないなかで、少しずつ、確かな広がりを持って展開されていく素敵な物語。切ないストーリーと哀愁漂うラストを持って、登場人物それぞれが抱える孤独と空虚感を描き出す秀作です。

文章の繊細さ、表現の美しさではトップクラス。人の多い都会に暮らしていても孤独感に苛まれている方は多くいるはずなので、共感できるかと。地中海の陽気な雰囲気も最高です。

 

15位 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

多崎つくるは鉄道の駅をつくっている。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。理由も告げられずに。死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時何が起きたのか探り始めるのだった。

リストのピアノ独奏曲集「巡礼の年」にインスパイアされ、2013年に出版された13番目の長編小説。

アイデンティティの欠如に悩み、孤独な男の巡礼の旅を通して感覚的で独特な物語、著者の作品としては珍しい散りばめられたミステリー要素が楽しめる一冊。モヤモヤ感の残るストーリーなので読む人を選びますが、事件の真相に気付いた時は鳥肌総立ち。

特に感動はありませんが、身の毛もよだつような真実にただ驚愕し、著者の描き出そうとした世界観と挑戦し続ける姿勢に感銘を受けました。クラシック音楽を聴いているかのように自然に胸に入り込んで来る文章も素敵ですが、考察サイトを覗いてでも理解してほしいミステリー性、物語の全容が最大の魅力。

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