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【2018】マジで面白いおすすめの小説・エッセイ・文学ランキング40

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マジで面白いおすすめの小説・エッセイ40作品をランキング形式で紹介します。名作から最新作まで、現代小説・歴史小説・古典小説・ライトノベル・ノンフィクション・エッセイと幅広いジャンルから厳選しました。

 

ぼくは年間100冊くらい本を読むので、人生21年間掛けて、それなりの量を読みこなして来ました。ぜひ小説選びの参考にしてみてください。

 

* 偏りを避けるため「1人の作者につき3作品まで」の緩い制約をつけます

 

マジで面白いおすすめの小説・エッセイ・文学ランキング1位〜10位

1位 夜と霧 / ヴィクトール・E・フランク

ユダヤ精神分析学者がナチス強制収容所体験を綴る名著。

 

想像を絶する過酷な環境の中、極限状態に置かれた人間がどう行動するのか、どう生きるのか。そして、決して奪われることのなかった人間としての尊厳、未来へを信じる心が客観的な視点から鋭く考察されています。ただ残酷な表現、目を覆いたくなるような描写ばかりなので覚悟してから読むべき。

 

「生きることの意味を問うことをやめ、わたしたち自身が問いの前に立っていることを思い知るべきなのだ」という一文に感動して以来、迷ったり、人生に悩んだ時に読み返しては、人間の強さと素晴らしさ、人生の本質を再確認するようにしています。

 

正直ここまで直接的で、心を震わせる一冊には出会ったことがなく、大学生の頃に初めて読んだ時はあまりにも衝撃的でした。翻訳本なので少し固い表現もありますが、比較的読みやすく、読むたびに新たな発見があるかと思います。

 

2位 沈黙 / 遠藤周作

鎖国体制のもと、キリスト教が厳しく弾圧される江戸時代。密入国したポルトガル人司祭ロドリゴは激しい拷問と残酷な仕打ちのなかで、沈黙する神を前に、自らの信仰と棄教の間を揺れ動く。

 

キリスト教徒であり、日本人である遠藤周作にしか書けなかった小説。キリシタン禁制」が敷かれる日本において、土着文化と混ざり合いながらどのようにキリスト教が普及したのか、崇高な存在にすがる人間の弱さとは?

 

「沈黙」では"人間の弱さ"が主なテーマであり、最後の決断に到るまでのロドリゴの心理描写が繊細に描かれています。胸が痛むようなグロテスクなシーンの連続ですが、宗教と人間の関係性について深く考えさせられる名著です。

 

3位 ノルウェイの森 / 村上春樹

愛と喪失の間でもがく男女を描く村上春樹の"究極の恋愛小説"。彼の作品は好んでよく読みますが、間違いなく最高傑作。

 

1970年代の乾いた空気、独特な文体、自意識の揺れ。身近な"死"を経験したことをきっかけに現実と理想の間で葛藤する主人公に感情移入してしまい、涙が止まりませんでした。また読了後一週間くらいは放心状態になったほどのショックを受け、初めて文章の持つ力を実感しました。

 

著者の青春時代に強い影響を受けていながらもどこか不思議な世界観は、読む人を選びます。強く感動した人にとっては人生のターニングポイント、過去を郷愁するたびに読み返す人生で特別な小説になるかと。少なくともぼくはそうでした。

 

4位 聖の青春 / 大崎善生

5歳にして大病ネフローゼを患い、27歳で癌を発症、29歳で没した天才棋士村山聖の一生を綴る青春小説。

 

幼い頃から入退院を繰り返す中で将棋に出会い、名人になりたい一心で没頭し、家族や周りの人々に支えられながら天寿を全うした怪童の人生。東の天才・羽生善治をも凌駕する棋力もさることながら、対照的に師匠・森信雄との何気ない日常が微笑ましく、天真爛漫な村山には愛着が湧きます。

 

将棋を知らないぼくでも、その純粋すぎる生き方、飽くなき将棋への情熱に強く心惹かれ、目を潤ませながらもすぐに読み切ってしまいました。過酷な運命に立ち向かい、生涯を通して闘い続けた男の生き様が生き生きと描かれ、読者の心に強く訴えかける傑作です。

 

5位 旅をする木 / 星野道夫

1996年カムチャッカ半島で熊に襲われ、命を落とした動物写真家・星野道夫のエッセイ。

 

冬季にはマイナス50度を下回る過酷な環境の中で色づく、雄大な自然の情景がありありと頭に浮かびます。まるで自分がアラスカの大地に立ち、実際に自然と対面しているかのように錯覚するほど。

 

四季折々の自然の美しさと力強く生きる野生動物たち、先住民族たちとの交流が心に染み渡る優しい文章と共に綴られているので、疲れた時や悩んだ時に読むと安らかな気持ちになれるかと。柔らかく、しかし本質を捉える文章は「素晴らしい」の一言。

 

6位 わたしを離さないで / カズオ・イシグロ

優秀な介護人であるキャシー・Hが、ヘールシャムの施設で生まれ育った自身の生涯を回想する長編小説。

 

カズオ・イシグロ作品としては珍しくSF要素が加味されており、幻想的で不思議な世界観のもと、"提供者"たちが直面する悲痛な現実、言葉にならない葛藤が、上質な文章で静かに語られます。

 

劇的な展開はあまりなく、物語は淡々と進みますが、クローン人間の辿る切ない運命は胸に迫るものがあります。先入観を一切持たずに読んだので、とにかくショッキングで、読み終わる頃にはえも言われぬ哀しみに包まれました。翻訳も非常に読みやすいので、一読をオススメします。

 

7位 深い河 / 遠藤周作

人生の意味を求め、愛を求め、愛する妻の生まれ変わりを探して、母なるガンジス川へと向かう人々の姿を描く長編小説。

 

「沈黙」が葛藤ならば、「深い河」は答え。人生の佳境に立たされる5人の日本人を通して、宗教とは何か、愛とは何か、遠藤周作の辿り着いた結論が、生き生きとした情景と共に書かれています。

 

クリスチャンの視点ではありますが、"悩み苦しむ人間と、泰然と構える神"の考察は非常に鋭く、自身の宗教観・死生観を激しく揺さぶられ、読んだ後の世の中の見え方に変化がありました。

 

8位 海賊と呼ばれた男 / 百田尚樹

戦後世界を震撼させた"日章丸事件"をモデルに、"国岡商店"店主・国岡鐵三の生涯を描く経済歴史小説

 

出席簿も、定年も、馘首(クビ)もない異端の石油会社、国岡商店。ノンフィクションとは思えないほどの豪快さ、商売根性、愛国心に驚きの連続。敗戦後日本を一日も早く復興させるべく尽力した男たちの生き様、彼らに賛同する人々とのドラマがとにかく熱く、ページをめくる手が止まりません。

 

司馬遼太郎作品よりも遥かにエンターテイメント性が強く、現代人向けの文章で綴られているので読みやすいかと。上下巻の長編小説ですが、非常に内容自体が面白く感動できるのでオススメ。 

 

9位 坂の上の雲 / 司馬遼太郎

開国期を迎える明治初期の日本を舞台に、立身出世を目指し、一心不乱に生き続けた男たちの生涯を描く歴史小説

 

日露戦争にて世界最強のコサック騎兵を破った秋山好古、海軍参謀として勝利に貢献した秋山真之、現代俳諧の祖・正岡子規にスポットライトが当てつつ、膨大な上表資料と繊細な情景描写と共にドラマティックに物語が紡がれています。

 

「欧米諸国に追いつけなければ日本という国が侵略されてしまう」という緊迫した情勢の中、刀を捨て、急速に近代化を推し進め、現代日本の基礎を気づいた人々の熱い生き様には魂を震わせるものがあります。約100年前の出来事とは思えないほどリアルに、当時の情景や気運がひしひしと伝わって来る名著です。

 

10位 永遠の0 / 百田尚樹

神風特攻隊として命を落とした祖父・宮部久蔵をめぐる歴史小説

 

臨場溢れる戦闘機同士の空中戦、異常なまでの天皇礼賛と踏みにじられる個人の意志。大変分かりやすくあくまでエンターテイメント作品として仕上がっており、かつ胸が熱くなるような人間ドラマが中心なので、歴史が苦手な人でもスイスイ読めるかと。勉強になりますし、読み物としても抜群に面白い。

 

日本が経験した忘れてはならない歴史、雄々しく散っていった命、語られることのなかった想いが丁寧に描かれる名著です。戦後70年が経ち、戦争の記憶が薄れゆく現代だからこそ読んでおくべき。

 

マジで面白いおすすめの小説・エッセイ・文学ランキング11位〜20位

11位 69 / 村上龍

1969年の長崎・佐世保を暴れ回る高校生たちの青春小説。

 

声をあげて笑ってしまった小説は中々ありませんが、この一冊に関してはそうでした。ユーモラスに語られる村上龍の青春時代の思い出が、甘酸っぱい恋模様ややんちゃ行為の数々が最高に痛快で面白いんです。

 

60年代をエネルギッシュに駆け抜けた後すっかり大人になり、それぞれの道を行くラストに、ノスタルジーと爽やかな風が吹き抜けたような心地良い感覚があります。村上龍作品としては異質ですが、軽い読み口なのでオススメ。

 

12位 世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド / 村上春樹

谷崎潤一郎賞受賞作品。世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド、2つの世界が並行する形で物語は進みます。

 

村上春樹手がける完全なフィクション作品群の中では、抜群に面白い本作。ストーリーの主軸が徐々に明らかになり、それぞれ自立した世界が交錯し始めてからは、すっかり村上春樹ワールドの虜。文章力の高さ、精神世界の繊細な表現は圧巻。

 

全てが収束していく怒涛のクライマックス、余韻と切なさが残るラストも秀逸。上質な文学の世界に浸ることができ、言葉には出来ない不思議な感覚に読後も包まれます。他作品を受け付けなかった人にオススメ。

 

13位 旅のラゴス / 筒井康隆

高度な文明を失った代わりに、人間が超能力を操るようになった世界。二度も奴隷にされ、多くの出会いと別れを繰り返しながら旅をし続けるラゴスの生涯を描くSF小説

 

SF小説の巨匠・筒井康隆作品ということで、現実とファンタジーの間のような不思議な世界観がなんとも心地よく、"壁抜け"や"集団転移"のワクワク感がすごい。ラゴスが淡々と旅をし続けている姿を追っている内に、つい現実を忘れ、自分が実際に異世界を旅しているような気分になります。

 

シンプルに読み物として面白いのですが、世界中を放浪しながら年老いていくラゴス、旅先での一期一会を眺めていると、旅の魅力を実感し、自分も遠くに行きたくなるんですよね。「こんな人生もあるんだ」「人生ってなんでもありなんだ」と気付かせてくれる一冊です。

 

14位 新世界より / 貴志祐介

舞台は1000年後、人々が「念動力」を操る日本。平和で管理された世界に暮らす少年少女と、徐々に明らかになっていく先史時代の真実を描くSF長編小説。

 

壮大な設定、巧妙に張り巡らされた伏線が最高。初めて読んだSF小説が本作だったのですが、謎が謎を呼ぶ物語、牧歌的でありながらどこか殺伐とした世界観、目まぐるしく切り替わる展開にページをめくる手が止まりませんでした。

 

文章も非常に分かりやすく全3冊あっという間に読み切れるのですが、人類史に隠された秘密、"悪鬼"と"業魔"、そしてバケネズミの正体が明かされるクライマックスは衝撃的。貴志祐介作品としてはベストかと。

 

15位 四畳半神話大系 / 森見登美彦

「あの時別のサークルに入っていたら...」という妄想を物語にしてしまった青春小説。

 

京都の街を舞台に、4つの世界が並行して進行していきます。文学的な表現、独特な言い回しは読む人を選びますが、青春群像劇のような、SF作品のように、純愛物のようなカオスな世界観がクセになるのです。

 

自堕落な腐れ大学生の送る日常が微笑ましく、馬鹿らしく、愛らしく、全体を通して笑いっぱなし。こんなに楽しい小説はありません。他作品でおなじみのキャラクターも登場するので、「夜は短し歩けよ乙女」を読んでおくとより楽しめるかと。

 

16位 深夜特急 / 沢木耕太郎

インドのデリーからイギリスのロンドンまで乗合バスで旅するユーラシア大陸放浪記。

 

旅先の情景がありありと伝わる文章、どこまでも自由な放浪の旅、描かれる摩訶不思議な世界に心のワクワクが止まらず、自分が旅をしているようかのように錯覚するほど魅力的。旅をしている最中に読むのも、日常生活の合間に読んで旅気分に浸るのも良いです。

 

ぼく自身「深夜特急」を読んだことで旅の魅力に取り憑かれ、熱に浮かされたようにインドを旅しました。"バックパッカーのバイブル"ならではの中毒性があります。

 

17位 青春を山に賭けて / 植村直己

戦後日本を駆け抜け、五大陸最高峰を制覇した伝説の登山家の自伝小説。

 

無一文で日本を飛び出し、アメリカで不法労働をして旅費を稼いだり、思いつきでアマゾン川を筏で下ったりと、破天荒で危なっかしい青春時代の思い出がありのまま描かれています。単純に読み物として面白いですし、無謀な夢を次々叶えていく植村直己の姿に胸が熱くなります。

 

少し拙い文章からは人間臭さ、著者の大らかで人懐っこい性格が滲み出ていて、楽しみながら読めました。登山に興味がなくても、理想を追い求める姿勢、大きな目標に向かって努力し続ける姿に感動を覚え、心を強く打つものがあるはずです。

 

18位 車輪の下 / ヘルマン・ヘッセ

周囲の期待と現代教育に押しつぶされていく少年の話。田舎町に生まれ"神童"と謳われたハンス・ギーベラントは、都会の神学校を受験し、見事2位で受かり、大人たちの期待に応えます。しかし、本当に夢中になっていたのは魚釣りで...。

 

生き生きとした情景描写と共に、社会という"車輪"の下で生きる少年少女の運命を描くヘルマン・ヘッセの自伝的小説。あまりに素直に、繊細に、純粋無垢に生まれた結果、無慈悲な社会に傷つけられていくハンスの姿はあまりに切ないです。

 

勝手に詰め込み教育を押し付けられ、自分のやりたいことができず、鬱あるいは死へと追いやられていく。学問に励む学生はもちろん、かつて学生だった人なら誰もが味わった悩みを共感できる不朽の名作です。

 

19位 夜のピクニック / 恩田陸

本屋大賞受賞作品。全校生徒が24時間かけて80kmの道のりを歩く伝統行事「歩行祭」と、多感な高校三年生の心情を描く青春小説。

 

「みんなでただ歩く。ただそれだけなのに、どうしてこんなに特別なんだろう」というキャッチコピーに全てが集約されていて、思春期の甘酸っぱい思い出、行き場のない思い、異性への意識が絶妙に表現されており、自身の青春時代を強く想起してしまいます。

 

内容としては夜の街をひたすら歩くだけなのですが、ここまで気持ちが切なく、温かく、懐かしくなるとは思いませんでした。恩田陸の文章力と、巧みな心理描写の賜物。初期作品は素晴らしいです。

 

20位 東京奇譚集 / 村上春樹

東京を舞台にした、怪しくありそうにない、しかし不思議な5つのエピソードが収録される短編集。

 

喪失感、欠落感を一貫したテーマとして据えつつ、摩訶不思議な村上春樹ワールドが堪能できます。この頃の村上春樹が繰り出すお得意の比喩表現はキレッキレですし、ストーリーの完成度も文句なし。

 

非常に高い文章力によって紡がれる奇妙な物語を通して、不思議で心地よい読後感を味わえる隠れた名作。著者の長編小説を受け付けなかった人、初めて読む人にぜひオススメ。実話を着色した「偶然の旅人」とホラー要素が加味された「ハナレイ・ベイ」が特によく出来ています。

 

マジで面白いおすすめの小説・エッセイ・文学ランキング21位〜30位

21位 半島を出よ / 村上龍

経済と財政が破綻し、国際社会で孤立する日本。追い討ちをかけるように、北朝鮮の「反乱軍」を名乗る9人の北朝鮮コマンドーによって福岡ドームを武力占拠され、ついに福岡は日本から切り離されてしまいます。

 

未来の、あるいは別世界線における日本を圧倒的なスケールで描いた超大作。経済学に則った社会問題といい、細かな人物描写といい、日本が抱える構造的問題といい、設定と展開が妙にリアルで、ノンフィクションとフィクションの間のように感じました。

 

北朝鮮ミサイル問題が話題になりましたが、戦争や侵略も決して非現実的な話ではないと気付かされます。読み物としても面白いですが、平和ボケした日本人の目を覚まさせるような、エッジの効いた作品です。

 

22位 探検家の日々本本 / 角幡唯介

本の虫である探検家・角幡唯介が、自分の人生に影響を与えた本に関するエピソードを綴る読書エッセイ。

 

鋭い視点から放たれる一言に思わずハッとさせられ、遊び心の効いた表現にプッと引き出し、僻地や秘境でのエピソードにぐいぐい引き込まれます。とにかく理屈抜きで面白い。さらに元新聞社勤めということで、納得の文章力。

 

著者が本を読み散らかし、感じ考えたことを自由にまとめたものなので普通の読書エッセイとは違いますが、どこか浮世離れした価値観や人生観が好き勝手語られているので、人生に迷ったり、日々に退屈さを感じている時に読むと気づきがあるかもしれません。

 

23位 西の魔女が死んだ / 梨木香歩

不登校気味の女子中学生まいと、大好きなおばあちゃんの魔女修行の日々を描く児童文学。

 

学校の人間関係に居心地の悪さを感じ、人里離れた田舎で送る"西の魔女"英国生まれの祖母との共同生活。多感で繊細な少女まいに妙に親近感を覚えます。人生に疲れている時ほど、主人公に感情移入してしまうかと。

 

色彩豊かな自然、生き生きとした動物、イギリス仕込みの素敵な暮らしが心地よく、人生の楽しみ方、日々の過ごし方を学ぶと同時に、終盤では"死"と"老い"について考えさせられます。しかしあくまで爽やかに、おばあちゃんの残したメッセージにほっこりさせられました。

 

24位 時をかける少女 / 筒井康隆

タイムリープ能力を手に入れた少女の淡い恋心を描くSF小説

 

何度もアニメ化、ドラマ化されている作品ではありますが、より設定が緻密で、ラストで余韻が残る原作版も素晴らしい。懐かしさの小説とはいえあまり古さを感じさせず、いつの時代も変わらない思春期の甘酸っぱい思い出が描かれています。

 

同時収録されている他短編もクオリティが高く、ノスタルジックで面白いかと。不思議なSF要素、生き生きとした少年少女の姿が楽しめる、筒井康隆の魅力が100%引き出された名作。

 

25位 グレート・ギャツビー / スコット・フィッツジェラルド

豪勢で華美な世界の中で、一途な思いを抱き続けた謎の大富豪ジェイ・ギャツビーの生涯を描く名作文学。20世紀アメリカを代表する小説家スコット・フィッツジェラルドの最高傑作。

 

村上春樹訳は非常に読みやすい。原作の美しい文章、色彩豊かな情景描写が完全に再現され、極上の文学が味わえます。読んでいてこんなにも心地良く、自然と入り込める小説には出会ったことがありません。

 

栄華を極めるニューヨークで一人の女性だけを愛し、全てを捧げたギャツビーの姿には儚さ、切なさ、虚しさ、それらが混じり合った何とも言えない感情が込み上げてきます。古き良きアメリカの空気が絶妙に描かれており、米国文学を代表する作品だけはあります。

 

26位 変身 / フランツ・カフカ

ある朝目が覚めた時、毒虫になってしまったグレゴール・ザムザの奇妙な話。一切理由が語られないまま、物語は淡々と進みます。

 

フランツ・カフカの中編小説。とにかく抽象的なので、解釈の仕方は読者次第。本当に虫になってしまったのかもしれないし、現代社会に疲れて病気になってしまったことを意味しているのかもしれません。非常に奥が深い。

 

最終的に孤独と絶望を抱えるグレゴールと、将来に希望を見出していく家族とのギャップが印象的。"シュールレアリズム"をベースとし暗く陰鬱としていながらも、逆にユーモアと捉えることもできる名作です。

 

27位 失われる物語 / 乙一

陰鬱な世界の中で展開される切なく、淡い物語が心に染み渡る短編集。

 

繊細な心理描写、さりげない伏線とその回収、不思議な読後感のあるSF作品。不朽の名作ではありませんが、サクッと読みやすい現代人向けの良作です。ここまで引き込まれ、感情を揺さぶられる短編小説はそうありません。

 

切なさと哀愁、孤独心が前面に押し出される綺麗で美しい作品。起承転結整ったストーリー、オチへの持って行きが見事で、著者の文章力の高さを感じさせられます。個人的には「Calling You」「失われる物語」が好き。

 

28位 アルケミスト 夢を旅した少年 / パウロ・コエーリョ

夢の啓示を受け、アンダルシア平原からサハラ砂漠を超え、エジプトのピラミッドに隠された宝物を探しに行く羊飼いの少年サンチャゴの物語。

 

多くの人のようにチャレンジすることを避け、周囲の目を気にしながら一生を終えるのではなく、前兆に従い、自分の人生を生きること。平凡なストーリーではありますが、錬金術師(アルケミスト)との会話を通して、人生の教訓、生きる上で大切なことに改めて気付かされます。

 

人生の本質を突く名言、ハッとさせられるシーンが散りばめられた人生の教科書のような一冊。読むと想像力を掻き立てられ、途方も無い夢を見ていた頃を思い出し、「また頑張ろう」と思わせてくれます。

 

29位 遠い山なみの光 / カズオ・イシグロ

戦後の長崎を舞台に、淡い期待と薄弱な光を求めて生きる人々の姿を描く長編小説。カズオ・イシグロのデビュー作。

 

劇的なストーリーは皆無。ですが戦後という過酷な時代を生き抜く人々の営みが、心情がたしかに描かれています。日本を舞台にしていますが、作者が英国育ちということもあり、どこか客観的で、幻想的な風景が印象的。

 

基本的に暗く、陰鬱な雰囲気が作品全体から漂いますが、絶望の中に見える一筋の光を、ほのかな希望を、懸命に生きる人間の素晴らしさをひしひしと感じ、読了後は不思議な余韻に身を包まれます。ノーベル賞作家だけあります、やっぱり。

 

30位 人間失格 / 太宰治

他人の前で道化を演じ、本当の自分をさらけ出すことができない男の生涯を綴る、おそらく日本で1番有名な小説。

 

70年前の作品ですが、美しい文章、繊細な心理描写、陰鬱にも滑稽にも映る物語に古臭さを感じさせず、時代を経ても変わらぬ人間の本性を描き出しています。何度読んでもいつ読んでも葉三に感情移入してしまい、暗い気持ちで読み進み、しかしどこか爽やかな読了感があります。

 

素直だからこそ、敏感だからこそ思い悩むのが世の常。人間の心の奥底と真剣に向き合い、そのまま吐き出した不朽の名作。サクッと読めるので、一読をオススメします。

 

マジで面白いおすすめの小説・エッセイ・文学ランキング31位〜40位

31位 恋文の技術 / 森見登美彦

能登半島の小さな実験所に飛ばされた大学院生と、京都に暮らす友人たちとの手紙を通して青春を描く書簡体小説

 

往復書簡をベースに物語は進みますが、ユーモラスで賑やかなやり取り、回りくどさと言葉遊びがクセになる独特な文体、甘酸っぱくほろ苦い青春真っ盛りの男女にニヤニヤが止まらず、ちょっとした描写に笑いっぱなしでした。

 

登場人物がもれなく個性的で、終始馬鹿げた日常を送っていることが読み取れるのですが、ハチャメチャな森見ワールドによって読者を大いに楽しめませてくれます。普通の小説に飽きてしまった方、新感覚の小説をお探しの方にオススメ。

 

32位 アルジャーノンに花束を / ダニエル・キイス

知的障害者のチャーリイが実験によって知能を獲得し、人間としての悩み、苦しみを学んでいく古典小説。

 

賢くなり、知能を高めることで傲慢になり、世の中を歪んで見るようになるチャーリイ。彼の醜くいながらもありのままの姿を眺めることで、本当の幸せを見つめ直すきっかけになるかもしれません。

 

序盤は非常に読みにくいですが、純粋無垢なチャーリイの心理描写と行動を通して、人間の本質、残酷さ、愚かさを垣間見ることができます。苦悩の末、チャーリイの取った選択、最後のページの文章は鳥肌モノ。

 

33位 キャッチャー・イン・ザ・ライ / J.D サリンジャー

16歳の少年ホールデン・コールフィールドの名作古典文学。

 

大筋とは、人生のモラトリアム期間を持て余す少年が、もがいたり、失敗したりする青春小説。物語に山こそありませんが、思春期の言葉にならない葛藤、強がり、青臭さがありのまま描かれており、どこか懐かしい気持ちで満たされます。

 

人生に悩む若者、社会の中で居場所の無さを感じる学生なら感情移入できるかと。古典文学ではありますが、村上春樹訳による瑞々しい文章で、生き生きとした人物・情景描写が味わえるので比較的読みやすいです。

 

34位 夢をかなえるゾウ / 水野敬也

冴えないサラリーマンの元に現れたインドの神様"ガネーシャ"が、人生で成功する方法を教えてくれるベストセラー小説。

 

「靴を磨く」「トイレを掃除する」など突破な成功習慣ばかりですが、コツコツと地道に続けていくことで、夢を叶えていくストーリーがユーモラスに描かれています。

 

人生に疲れた時、挫折しそうになった時に読むと肩の力がフッと抜けると同時に、明日を頑張るモチベーションに繋がるかと。誰もが楽しめる小説ベースのエンターテイメント作品です。

 

35位 限りなく透明に近いブルー / 村上龍

村上龍のデビュー作。米軍基地の街・福生を舞台に、ドラッグ・セックスにまみれた退廃的な世界と、自暴自棄に過ごす若い男女が淡々と描かれています。

 

グロテスクと淫らが入り乱れるドロドロと淀んだ小説で、読む人を選ぶかと。初めて読んだ時、あまりに生々しすぎる表現に読みにくさを感じたのですが、これが処女作だと思うととにかく衝撃でした。

 

作者の実体験に基づいた"腐敗の日々"をただ描いているわけでなく、爽やかな読後感と、どうしようもない絶望の中にきらめく無垢な光を感じさせます。青春小説としてはかなりクセがありますが、非常に優れた現代文学です。

 

36位 苦役列車 / 西村賢太

父親が性犯罪者として逮捕され、埠頭の日雇い仕事で食い繋ぎ、劣等感と孤独感を募らせる少年の私小説

 

夢も希望もなく、あるのは淀んだ負の感情と性欲だけ。自分が社会の底辺に生きているように錯覚し、ドロドロとした陰鬱な日々が繰り返されますが、滑稽な日常に思わず吹き出しまてしまいます。

 

著者の実体験に基づく小説なので非常にリアリティがあり、嫌悪感に包まれると同時に妙な爽やかを感じる良作。読み心地は良くないですが、あらゆる意味で衝撃を受けました。

 

37位 砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない / 桜庭一樹

"お金"という実弾を求め自衛官を目指す山田なぎさと、都会からの転校生で父親から虐待を受ける海野藻屑の交流を描く青春小説。

 

先に結末が語られ、事の経緯を明かしていく形で物語は語られます。児童虐待」という重いテーマを扱っていますが、平易な文章なのでサクッと読めました。

 

運悪く粗暴な親の元に生まれ育ったというだけでなく、そこに働く「共依存」という奇妙な心理、異常な感情がありありと描かれています。タイトルとは対照的に、非常に恐ろしく、薄気味悪い一冊です。

 

38位 カラフル / 森絵都

前世で罪を犯した少年が輪廻のサイクルに戻るために、借り物の体で下界生活を送る児童小説。

 

他人の体を借りて生きることで、改めて生きる意味、人生を学んでいきます。思春期の葛藤、自殺、生と死など重いテーマを扱っていながらも児童向けなので、テンポよく進み、爽やかな読後感があります。

 

大人が読むとオチや展開がある程度想像できるかと思いますが、独特な軽いタッチと平易な文章が心地よく、真っ直ぐな言葉一つ一つが胸に響き、原点に戻れるかと。日々に疲れた時にサクッと読みたい一冊です。

 

39位 とある飛空士への追憶 / 犬村小六

夏の澄み渡る青空を舞台に、"姫君の護送"という困難な任務を受けた飛空士の空戦と淡い恋心を描く傑作ライトノベル

 

数あるライトノベルの中で群を抜く完成度を誇る一冊。身分の違いと報われない恋を描く切ないシナリオ、臨場感と緊迫感のある戦闘機同士の空中戦など魅力は語り尽くせません。

 

序盤から中盤までのストーリー運びにぐいぐい引き込まれ、煌びやかに彩られるエンディングも納得の出来。文章も非常に上手ですし、1話完結なのでかなりオススメです。

 

40位 ちょっと今から仕事やめてくる / 北川恵海

ブラック企業で働く毎日にすっかり疲弊し、自殺を図ろうとした男に訪れるちょっと不思議な話。

 

なんとなく就活をして、適当な会社に入り、精神を消耗していく。前半における心理描写と陰鬱とした自分語りは非常に生々しく、リアル。また、死のうとしていた主人公が立ち直っていく展開には希望を感じさせられます。

 

処女作ゆえ拙いものの、テンポ良く読める文章、予想の斜め上をいくオチ、温かい気持ちにさせてくれる爽やかなラストは秀逸。仕事に疲れている時にどうぞ。

 

あとがき

思い返せば、人生のターニングポイントには常に小説の存在がありました。失恋した時は「ノルウェイの森」で感情を消化し、「深夜特急」の影響で海外旅行をするようになり、「アルケミスト」からは生きる上で大切にすべきことを学んだように。

 

程度はあれど一冊の小説には人生を動かす魔力が秘められているので、ぜひ興味がある作品を読んでみてください!

 

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